M2の竹井さん、卒業生の内山君がco-first authorとして貢献してくれた論文がPlant and Cell Physiology誌に掲載されました。正確には、今年の夏に発行予定の、同誌で組まれるStrigolactone special issueに掲載される予定です。掲載に先立ち、オンラインで公開されました。
本論文では、根寄生植物の一種であり、日本国内でも自生するヤセウツボにおける、ストリゴラクトン受容体の同定を行いました。根寄生雑草は、寄生する相手となる植物の根から分泌されるピコモーラー程度のストリゴラクトンを認識して発芽します。これにより、近傍に存在する植物に効率的に寄生することが可能です。本論文では、この高感度なストリゴラクトン認識を可能にしている受容体を同定することに成功しました。また、ヤセウツボにおけるストリゴラクトン受容体の一つについて、結晶構造解析を行い、構造を明らかにすることにも成功しました。
ヤセウツボは現在のところ、農業被害をもたらすというような報告はありませんが、将来的には農地に侵入されることも懸念されます。今回ストリゴラクトン受容体が同定されたことにより、本受容体を標的にする化合物を使って、発芽を人為的に制御するということも可能になるかもしれません。また、複数ある受容体の中で、ストリゴラクトンに対する感受性が高いものは一つだけであることから、今後、高い感受性を生み出す要因についても明らかにしたいと考えています。
(本研究は、アメリカ・ソーク研究所のMarco Burger博士、Joanne Chory教授との共同研究として行いました。)
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