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論文発表(BBRC誌)

  • 執筆者の写真: 生物機能化学研究室
    生物機能化学研究室
  • 2023年2月12日
  • 読了時間: 2分

M2の岡部君がファーストオーサーの論文がBBRC誌に受理され、公開されました。岡山理科大学福井康祐先生、京都大学化学研究所山口先生、理研萩原先生との共同研究成果です。D1来馬君、M2鈴木君も共著者として貢献してくれました。



本論文では、HTL/KAI2と呼ばれる植物ホルモン受容体に対して特異性の高い新しい分子を合成し、その機能評価を行いました。岡山理科大学の福井先生が、過去にgerminone A(Ger)と名付けた分子を合成し、HTL/KAI2に対するアゴニストとして機能することを報告しておりました。しかし、この分子は、HTL/KAI2と相同性の高いもう1つの受容体であるD14にも作用することが明らかになっていました。今回、私たちは、Gerが有する一つのメチル基を除去した分子を合成しdesmethyl Ger(dMGer)と名付け、その機能評価を行いました。その結果、dMGerはHTL/KAI2に対して特異的に作用することに加え、その生理作用として、高温条件で発芽が阻害されるシロイヌナズナの種子発芽を強力に誘導する活性があることを明らかにしました。通常、植物の発芽は、ジベレリンという、別の植物ホルモンによって誘導されることが知られていますが、dMGerは、ジベレリン経路を介さずに発芽を誘導できることも分かりました。この結果は、2020年にカナダ・トロント大学のShelley先生たちが発表された報告と一致するものであり、dMGerがジベレリン機能の低下によって発芽能が低下した種子発芽を誘導する化学ツールとして有用であることを示しています。また、HTL/KAI2経路による植物の生長制御メカニズムを解明するためにも有用な化学ツールとなることが期待できます。

M2の岡部君の修士論文成果の一つであり、修了前に論文として発表することが出来ました。本当はこの分子を使ってさらに発展した研究を展開していたいたのですが、そこでは期待通りの成果は得られず少し残念でもあったのですが、無事に、一報の論文とまとめることができ、非常に良かったと思います。新規性が高い内容とは言えませんが、一つ一つのデータがきれいに取れており、質の高い内容になったと思います。お世話になった方々、どうもありがとうございました!また、岡部君、おめでとうございます!(文責;瀬戸)

 
 
 

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